広告の影響力

底知れぬ拡散力

広告といっても種類は沢山ある、新聞、雑誌、チラシ、看板、といった具合に手段は往々にして選ばなければ多種多様ともいえるほどに溢れかえっている。ただ広告を生かした宣伝をするにしても適した手段でなければ影響力はそれほど与えられない。特に誌面などに記載されている情報に関しては、自身が興味を示さなければ流し読み程度で済まされてしまい、頭の中で情報がインプットされる事はまずない。ただ情報として発信だけするならばそれはそれとして、恐ろしいほどの拡散力を秘めている。雑誌などは特定の購買層が限定されているため見かける機会は少ないかもしれないが、新聞ともなれば購読している割合は全体的な誌面情報発信率としてダントツだ。そして新聞以上に情報として広告を世の中に発信し、強大な拡散力によって比較にならない人への影響力も相当なものだといえるだろう。

そうした拡散力がより高いのも今回1つのテーマとして取り上げているテレビCMであり、情報を受け取るか否かの取捨選択はここでも受け取ることは出来るが、単純に目とも耳の両方の感覚から受けることを考えても、誌面よりも、ラジオなどの音から聞こえてくる情報よりも、不特定多数の人々に届けることが出来る。だからこそ、企業間ではいかにライバルとの差をつけるかで、広告を上手く戦術的活用している。

影響力と拡散力という二点だけに絞って考えれば、それはもう素晴らしいほどにテレビCMほど優れた広告宣伝は無いだろう、ただそうした行いもある種の整っていなければやはり情報がそのまま当人へと引き継がれることがないのも事実だ。だからこそよりインパクトを、という一点に絞られてくる。ではこのまさに戦争を引き起こすのではと思わせる構図を説明するためにも、ちょっとした事例を取り上げつつ、紹介と考察をしていこう。

おもしろい番組

ビジネスリュックのリュックサックは、英語では「ラックサック (rucksack)」だが、登山の専門用語であり、一般には通じにくい。

代理戦争状態

広告の影響力を考えていく上で一番分かりやすく、そして多くの人が共感を以って接することが出来る話題として提供できるのが『コーラ戦争』だ。コーラといえば恐らく業界では2大シェアが樹立されている『コカ・コーラ』と『ペプシ』の2つだ。個人的にコーラと言えば前者のイメージがあるが、最近ではむしろ後者の方を愛飲している人が多いのかもしれないがとりあえずその点はいいだろう。

現在でこそ、前者のコカ・コーラと後者のペプシの業界バランスとしては、僅かではあるがペプシの方が有利な状況となっている。

時間的な点も関係しているが、元々コカとペプシでは業界の質も何もかもが異なっているのもあれば、そもそも誕生した年つきも異なっている。それぞれの情報としては、

国名 テレビ 新聞 オンライン 携帯
日本 28% 11% 46% 3%
アメリカ 46% 12% 20% 2%
フランス 36% 11% 17% 2%

このようになっているところを見ても、コカ・コーラの方が圧倒的に市場としてその地位を確実なものへとの仕上げつつあった時期に、ペプシが誕生した。そこから追い上げるように両者は競い合うこととなるわけだが、その一連の流れはまさに広告を生かした戦略的展開ともいえるものだ。そしてそうした中で有効活用されたのが他でもない、テレビCMである。

このテレビCMという手法を取り入れたのは他でもないペプシで、業界最大手という地位を獲得していた状態のコカ・コーラと何とか拮抗するためにも、何とか打開するための方法が模索されていた中で、テレビCMを取り入れていく。ただその内容が両者のコーラを飲み比べてどちらが美味しいかどうかを目隠しした状態で判定してもらうというもので、こうしたやり方が功を奏してペプシコーラというブランドの底力を押し上げていった。その後もけんか腰、宣戦布告ともいえるようなCMを製作してはコーラよりもいかに自社で生産しているコーラの方がより美味しいかといった宣伝を繰り返して行うなど、企業理念といったものに縛られることなく、戦争を仕掛けている状態だ。コレが国家間ともなれば大問題になるが、一企業のそれも決して中小とはいえない両企業ともなれば、どちらが覇権争いに勝利するか、激しい抗争が繰り広げられるのは言うまでもないこと。

ペプシコーラのテレビCMが開始されたのは1975年ごろから本格化し、ここから20年近い年月を際する『コーラ戦争』という名の、広告を利用した代理戦争が勃発することとなる。

心に残るCM

結果的な勝利を収める

コカ・コーラはペプシが誕生するまでにアメリカで飲料水として業界NO.1としての地位を獲得し、揺るがないと誰もが考えられていた。またコカ・コーラとしてもキャッチコピーでもあった『スカッと爽やか』といった内容に反しない広告展開をする必要があったため、やたらと絡んでくるペプシに対して宣戦布告を受ける姿勢を示すことは出来なかったため、意識しながらも爽やか路線から転換することが出来ずにいた。一方で、業界1位を簒奪してやるとばかりに攻撃的且つ、印象的な広告を展開していった。そういう意味で、既にトップの地位に咲いていたコカ・コーラと、下から追い抜いてやろうというペプシとでは、広告展開のやり方がまるで違っていた。キャッチコピーの問題ということも絡んでいたが、コカ・コーラとしてもまさか自分たちが抜かれるという驕りも多少なりとあったのかもしれない。

長く続いたコーラ戦争は90年代まで続き、その結果業界として何が起こったのか。それはペプシがまさかの逆転に成功するという顛末を迎えるのだった。コレにより、世界各国でコカ・コーラとペプシでは、後者の方を飲んでいる人の数が多いという比率も数字として示されており、非常に興味深い結果を出している。これこそまさに、テレビCMという拡散力と影響力を遺憾なく、存分に活用したペプシの戦略的勝利といってもいいだろう。

この例に倣ってみてもらえば分かるとおり、テレビCMという広告手段を用いることでこうした展開を呼び込むことも出来ることを結果的に示すことが出来た。ある意味情報戦による勝利といったところだろう。

CMという広告媒体としての潜在能力